マンション売却で媒介契約を結ぶ際の必要書類まとめ

マンション売却時は、不動産会社に仲介を依頼することが多いです。その仲介を依頼する不動産会社と結ぶ契約が、媒介契約と呼ばれる契約になります。今回は、そんな媒介契約を結ぶときに必要になる書類を解説します。

媒介契約での必要書類

媒介契約を結ぶときに必要となる書類は、大きく以下に分類されます。

  • 本人確認書類
  • 権利関係書類
  • マンションに関する書類
  • その他の書類

上記の中には媒介契約時ではなく、売買契約時までに必要な書類も含まれます。ただ、売買契約時までに必要な書類も売却活動で必要になる書類が多いので、早めに用意しておくと良いでしょう。

本人確認書類

本人確認書類とは以下の書類を指します。

  • 身分証明書(運転免許証など)
  • 印鑑証明書
  • 住民票

上記のように、印鑑証明書が必要になるので、実印と実印登録も必要です。実印は登記する場合に必要になるので、もし登録していないのであれば事前に登録、および実印作成をしておきましょう。

また、印鑑証明書や住民票などの公的書類は「発行後3か月以内」などのルールがあるので、その期限を確認してから取得してください。

権利関係書類

権利関係書類とは、以下の書類のことです。

  • 登記識別情報
  • 権利書
  • 登記簿謄本
  • 固定資産税納税通知書
  • 固定資産税評価証明書

上記の登記識別情報と権利書は、どちらか持っている方だけで良いです。法律が変わったことにより、2005年から権利書はなくなり登記識別情報に変わりました。

そのため、2005年以前に取得したマンションを売却する場合は登記識別情報、それ以降に取得したマンションを売却する場合は権利書が手元にあるはずです。

固定資産税関係の書類は、媒介契約時点では不要ですが、売買契約のときは必要になります。これらは税務署から郵送されている書類なので、事前に確認しておきましょう。

マンションに関する書類

マンションに関する書類とは、以下の書類のことです。

  • 重要事項説明書
  • 売買契約書
  • 管理規約

上記も媒介契約に必須ではありませんが、売買契約時には必要になるので用意しておきましょう。また、上記の重要事項説明書と売買契約書は、そのマンションを「購入したとき」に入手した書類のことです。その書類を基に、今回の売買取引用に新たな重要事項説明書と売買契約書を作成します。

管理規約は、新たな買主に引き継がれる書類です。また、購入検討者からマンションのルールなどを説明されたときは、管理規約集を調べて返答するので不動産会社に預けておいた方が良いでしょう。

その他の書類

そのほかにも、以下のような書類が必要になってきます。

  • リフォーム関係書類
  • 住宅性能評価書
  • 耐震診断報告書
  • 取扱説明書

上記の書類は、もし存在すれば用意しておきましょう。リフォーム関係書類とは、仮にリフォームした実績があれば、見積書やリフォームした箇所が分かる書類です。その書類は営業ツールになりますので、不動産会社に預けておくと良いでしょう。

また、住宅性能評価書と耐震診断報告書も、もし存在すればこちらも営業ツールになるので用意しておきましょう。取扱説明書とは、キッチンまわりなどの機器説明書のことで、これも、検討者から使い方や機能の質問が出たときに用意してあると便利です。

書類が無い場合の対応方法

前項までで媒介契約に必要な書類を解説しました。つづいて仮に、媒介契約に必要な以下の書類を紛失していた場合の対処法を解説します。

  • 登記識別情報
  • 権利書
  • 登記簿謄本
  • 重要事項説明書
  • 売買契約書

登記簿謄本は法務局で誰でも取得できます。また、ネットに登録すればオンラインで取得することができるので、費用を支払えば不動産会社に取得してもらうこともできます。

登記識別情報と権利書

結論から言うと、登記識別情報と権利書は再発行できないので、代わりに「本人確認情報」を作成します。これにより、その物件が自分の物件であることを主張するということです。

登記識別情報と権利書とは?

登記識別情報と権利書は、簡単に言うとそのマンションを所有していることが証明されている書類です。登記識別情報とは、12桁の英数字からなり、その英数字を知っていることで本人確認をします。

ただ、実際はその英数字を覚えている人はほぼいないので、購入時にもらった登記識別情報をそのまま保管している人が多いと思います。

一方、権利書はそのマンションが自分の名前で登記されていることを証明している書類です。ただ、権利書を持っている人に所有権があるわけではなく、権利書に自分の名前が記載されていることで所有していることの証明になります。

ただ、実際は登記簿謄本を取得し、そこに自分の名前があることで自分の所有権を主張できます。そのため、登記識別情報と権利書は重要な書類ではあるものの、形式的に発行する書類という意味合いが大きいです。

本人確認情報

形式的な要素が強いとはいえ、登記識別情報と権利書を紛失していたら、それに代わる「本人確認情報」を取得します。この証明書は司法書士に作成してもらう書類になり、費用が5万円程度かかる点は覚えておきましょう。

本人確認情報は、司法書士という第三者に「この物件はこの人の所有物です」という証明をしてもらうことで、登記識別情報や権利書がなくても所有権を主張できるいうことです。

本人確認情報は数枚の紙面で構成されており、以下のような項目が盛り込まれています。

  • 不動産の種類(一戸建て、集合住宅など)
  • 個人情報(氏名、住所など)
  • 不動産の名義人であることを確認した理由
  • 名義人と確認した理由

要は、司法書士が状況証拠を集め、この物件の所有権を主張するということです。

重要事項説明書、売買契約書

重要事項説明書や売買契約書を紛失していても、マンションを売却することはできます。ただし、特に重要事項説明書にはそのマンションに住むに当たり、注意すべき点が盛り込まれています。

そのため、重要事項説明書がないと、新たな買主にきちんと説明責任を果たせない場合があります。そのようなときは、そのマンションを購入した不動産会社、もしくは仲介会社に問い合わせてみましょう。

新築で取得していた場合

もし、新築でそのマンションを買ったのであれば、売主である不動産会社は重要事項説明書と売買契約書は保管しているはずです。事情を話して本人だと証明できれば、重要事項説明書と売買契約書のコピーをもらえるかもしれません。

中古で取得していた場合

また、その物件を中古で取得していた場合には、その物件を仲介した不動産会社が重要事項説明書と売買契約書を持っています。こちらも、本人確認ができればコピーをもらえる場合があるので、一度問い合わせてみましょう。

このように、マンション売却で媒介契約を結ぶ段階で、用意しておく書類はいくつかあります。必須ではない書類も、いずれは必要になるので用意しておきましょう。また、特に登記識別情報と権利書を紛失したときは本人確認情報が必要なので、早めに紛失していないかの確認をしてください。