両手仲介と片手仲介の違いは?メリットとデメリットを比較

個人がマンションを売却・購入する際の方法として、不動産業者に依頼を行うのが一般的な方法です。不動産業者は売買物件・賃貸物件の仲介や管理をする事で手数料を得ています。

この中の仲介業務を行う事で手数料を得ることを「仲介手数料」といいます。仲介手数料の受け取り方には、2種類の方法があり、「両手仲介」「片手仲介」と呼ばれています。

業務の不透明さに注意を必要とする両手仲介とは

両手仲介は、1件のマンション契約で売主・買主を自社の顧客で決定する仲介を言います。特に「両手仲介」を絶対とした媒介契約はどの企業も行っていません。

しかし、不動産業者側の利益から自社内でのマッチングを優先してしまうのが、現在日本で行われている不動産売買のシステムです。

業者側が両手仲介を好む理由と問題点

不動産業者はなぜ両手仲介を好むのでしょうか?以下の3点が業者にとって有利な点ですが、好む最大の理由は、売主と買主の両方から仲介手数料を得られる点になります。

  • 売主、買主双方から仲介手数料を得る事ができる
  • 売主、買主共に自社顧客のため、価格の妥協点を合わせやすい
  • 早期売買契約ができる

両手仲介を好む業者の問題点としては、以下の4点が大きな問題点になります。

  • 他社への情報開示を最小限にとどめる
  • 情報を他社に開示していても、自社内での売主・買主契約を優先するために、他社に対し「商談中」などの嘘をつき売却時期を延長する
  • 売買契約の成立を優先して、顧客利益(売買価格などの条件)の妥協を促す
  • 大手企業の場合、自社の社員による購入も進めているため売主に大きな値引きを強いる場合もある

このような不動産業者の顧客を無視した利益追求を「囲い込み」と呼び問題とされています。大手不動産業者の「囲い込み」がクローズアップされた理由は、その両手仲介の多さから企業利益のため顧客の利益を無視しているのでは?と考えられたためです。

しかし、マンションの売買において大手不動産業者の顧客登録が非常に多く、売買のマッチングがしやすいのも事実なため、両手仲介であるから囲い込みであるとは言い切れません。マンション売買を行う際には、不動産業者の利益のために不利益を被らないための注意が必要です。

囲い込み回避方法

不動産業者の業務連絡だけでは、不動産業者によって囲い込みが行われているかどうかの判断はつきません。そのために、出来る限りの対策が必要となります。

一般媒介契約を行う

一般媒介契約は、他の専属・専属専任と違い、複数の不動産業者に依頼を行うことで囲い込みをできなくします。しかし、どんなに営業努力を行っても他社が売買契約を成立させることで対価が入らなくなるため、営業に力が入らない欠点もあります。

レインズの確認を行う

専属・専属専任媒介契約を不動産業者に依頼した場合、不動産流通システムであるレインズのIDとパスワードを貰うことができます。

レインズを確認することで自分の不動産物件が、現在どのような状態であるかを常に確認できます。注意する点は、レインズの更新は即日ではなく2日間程度の遅れがでることです。

業者を選ぶときに複数業者に価格査定を依頼する

これにより適正な相場を知る事ができます。囲い込みによる、価格操作に振り回されずにすむための情報を得る事ができるのです。

囲い込みが出来ない業者を選ぶ

囲い込みは、物件を大量に抱え従業員も多い大手不動産業者しか行う事ができないという特徴があります。そのため、地域密着型の中小業者を利用することで囲い込みを避ける事ができます。

中小不動産業者は、中古マンションの売買はウェブ宣伝や知名度に左右されることが多いため売買成立まで時間がかかってしまうという欠点を持ちます。

これらすべての解決方法として、大手でも両手仲介を行わない不動産業者を選択するという方法があります。しかし、大手不動産業者で片手仲介を売りにしている業者はSRE不動産のみなため、選択できる業者の幅が狭いのが欠点です。

顧客重視の対応を行う片手仲介とは

売主側と買主側では、違う不動産業者が担当することで業務が進められる形態を言います。

片手仲介を行う大手不動産業者はSRE不動産のみなため、片手仲介が日本の不動産業界にどのような影響を与えるかは、未知数と言えます。片手仲介のみのアメリカでは、両手仲介の持つ不安・不信につながりません。

片手仲介では、自分が担当する顧客の利益のみを追求した業務を行います。そのため、安易な値下げによる売買契約の成立が行われません。この顧客に寄り添った業務というのが、片手仲介の大きなメリットと言えます。

顧客のために妥協の無い交渉を行うため、交渉期間が長いというのが片手仲介の唯一のデメリットと言えます。

物件引き渡し後に、何らかのトラブルがあった場合は、それぞれの担当不動産業者2社により問題処理を行います。自分が担当した顧客の代理として問題処理を行うため、安心して任せられるだけでなく、売主・買主の心理的な負担が少なくなると言えます。

仲介手数料と両手仲介や片手仲介の業務内容

両手仲介や片手仲介を解説する際に、仲介手数料と言ってきましたが、良く分からない人もいると思うので、ここでは仲介手数料の解説と、不動産業者の両手仲介と片手仲介での業務内容について解説していきます。

仲介手数料とは

「両手仲介」「片手仲介」のメリット・デメリットで語られる多くは、手数料についてです。しかし、顧客が支払う手数料は両手であっても片手であっても変わりません。マンションを売却したい売主、マンションを購入したい買主は、どちらも成功報酬として不動産業者に支払われます。

中古マンションの売買を行う場合、トラブルも多いことから不動産業者への依頼は必須です。そのため不動産の売買を行う際には、仲介手数料の上限額を知っておくことも大切です。

仲介手数料上限

200万円まで:5%
200万円を超え400万円以内:4%+2万円
400万円を超えた場合:3%+6万円

両手仲介の手数料

売主(3%+6万) → 不動産業者A ← (3%+6万)買主

片手仲介の手数料

売主(3%+6万) → 不動産業者A
買主(3%+6万) → 不動産業者B

仲介手数料の上限額は法律で定められた上限額です。不動産業者が受けるべき仲介手数料ではなく値引きもできます。

両手仲介が媒介契約に盛り込まれない理由

両手仲介・片手仲介と分類分けされますが、両手仲介をわざわざ掲げて取引をしていません。両手仲介できるのは大手不動産業者に限定され、両手仲介ができない場合、自然と片手仲介となるためです。

大企業以外では、自社内で物件の売買を完成させることはできません。そのため、同業者に対して情報を開示することで早期売買成立を行おうとします。

この場合の仲介業者の手数料形態は、
売主(3%+6万) → 不動産業者A・B
買主(3%+6万) → 不動産業者C
と、多くの不動産業者で手数料の上限額を分け合う形になります。

このため、不動産業者はわざわざ仲介形態を掲げる事はしていなかったのです。

不動産業者の両手仲介・片手仲介における業務内容

売主側の業務内容には、売却マンションの周辺調査・設備建物調査、広告の掲載や営業活動、物件紹介の案内、交渉、契約書の作成・説明、その他書類の収集などの業務への報酬があります。

買主側の業務内容は、顧客の望むマンションの捜索・案内・交渉、ローンの紹介・手続きが主な業務です。このほかに、物件売却後のトラブルが起こった場合も、売主・買主の代理として不動産業者が解決交渉を行います。

注意が必要なのは、通常行われる範囲外の営業活動、例えば他県に出張・特別な広告作成・配布などは、別途費用がかかり成功報酬外となることもありますので注意してください。

両手仲介における仕事内容

両手仲介、特に囲い込みを行うことで、業者側は一番費用が掛かるとされる広告費が節約できます。このほかにも、本来なら顧客から希望を聞き行う交渉が、不動産業者の都合で早期成約を目的とした妥協点での説得がなされます。

このような事から、実務=手数料と考えたなら両手仲介の場合、手数料の割引が妥当ではないのか?と考えられます。

しかし、大手不動産業者の作業はマニュアルに添うことが多いため、容易な割引が行われていません。それらの不満を解消するため、大手不動産業者は金融・建築などの面から多くのサービスを提供し顧客満足度を上げています。

片手仲介における仕事内容

片手仲介の業務は、手を抜ける箇所はなく顧客に寄り添った業務が基本姿勢となります。片手仲介を行うSRE不動産では、手の抜けない片手仲介でありながら、面談の際に顧客がSRE不動産に来訪することで、手数料の値引きを行っています。

日本で大手不動産業者でありながら片手仲介を原則行っているのはSRE不動産だけなため、片手仲介の特徴として挙げるには十分とは言えません。

アメリカの不動産取引のほとんどは、片手仲介で行われます。これは顧客重視とされるからだけでなく、アメリカの半分の州では法律的に両手仲介を中止しているからです。

しかし、日本では両手仲介は禁じられていないため、マンションに強い大手不動産業者の多くは両手仲介を行っています。マンションの売買に強い大手を使いたいが「両手仲介は絶対に嫌だ」という人にはSRE不動産がおすすめです。

ただし、利用できる地域が限定されているので、注意して下さい。

マンション売却の一括査定サイト

マンションを高値で売るためには、良い不動産業者を見つけることが一番重要です。一社だけではなく、複数の業者を比較してから決めることをおすすめします。

無料で使える一括査定サイトもあるので、このようなサービスを利用して候補となる業者を選びましょう。

一括査定サイト経由なら、詐欺まがいの悪質な業者に当たることもないので、安心して査定を依頼することができます。

SRE不動産

ソニー不動産

ソニーグループが運営する「SRE不動産」は、他の一括査定サイトや大手不動産業者にはない、大きな特徴があります。それは「エージェント制度」を導入していることです。

SRE不動産に対してマンションの売却を依頼した場合、エージェント制度により、売却のみに専念してくれる(両手仲介をしない)ため、物件を高く早く売却できるような環境を提供してくれます。

利用できるエリアが東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、京都、奈良に限定されていますが、利用できる売主にとってはかなり有利なサービスとなっています。

SRE不動産は、他の一括査定サイトとは提携していないため、直接、公式サイトから査定を申し込む必要があります。

査定は無料ですので、該当する地域の方は、まずSRE不動産の無料査定を利用してみましょう。

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HOME4U

HOME4U

HOME4Uは、NTTデータの運営するサイトで、マンション売却一括査定の最大手です。

三井住友トラスト不動産や、東急リバブル。野村の仲介+、三菱UFJ不動産販売など、国内大手の不動産業者はほとんどカバー。

地域密着型の中小業者を含め、約900社の不動産会社が登録されています。

どの一括査定サイトを使うか迷っている方や、信頼度で選びたいという方には、HOME4Uの一括査定がおすすめです。

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マンション.navi

マンションナビ

その名の通り、分譲マンションの売買に特化した、特殊な一括査定サイトがマンション.naviです。

業界ではかなりの老舗で成約件数も多く、信頼度の面ではHOME4Uに並ぶといってもいいでしょう。

一度に査定できる業者数も9社と多く、できるだけ多くの業者を比較したいときにも便利。

またマンション.naviの場合、売却ではなく「業者の買取」を希望することもできるので、多少安くてもいいから、とにかく急いで売りたいという人におすすめです。

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