マンションを売却する、と言っても、
不動産業者を通じて一般の人に売却する「仲介」と、
不動産業者に直接マンションを売ってしまう「買取」という、
二種類の方法があるのは知っていると思います。
「買取」は「仲介」よりも売却価格が安いので、
損だというが一般的な解釈だと思います。
ですが、実は仲介よりも買取のほうが得をするケースもあります。
仲介と買取の違いはなにか?
まずは簡単に仲介と買取の違いから、簡単に説明したいと思います。
まず、仲介とは、不動産業者を仲介して、宣伝・広告をしてもらい、
一般の購入希望者に物件を売ることです。
仲介のメリットは以下の2点になります。
- 自分で売却価格を設定できる
- 業者に広告、宣伝をしてもらえる
仲介のデメリットは以下の2点になります。
- 確実に売れるとは限らない
- 売却までに時間がかかる
- 売却時に仲介手数料が発生する
一方で、買取とは不動産業者自身に物件を売却すること。
買取のメリットは以下の2点になります。
- すぐに売却できる
- 仲介手数料が不要
買取のデメリットは以下の1点になります。
- 売却価格は仲介査定の60~70%
という特徴があります。
今挙げたおおまかなメリット・デメリットからも分かる通り、
買取では仲介査定の70%程度の価格でしか売れません。
それであるにも関わらず、買取が損にならないケースとはどんな時なのか?
具体的に説明していきたいと思います。
売却までに時間がないケース
仲介と買取の違いで、100%違うと言い切れるのが、売却までの期間です。
仲介は買い手が一般の人である以上、
いつ売れるかはまったく分かりません。
仲介を始めて翌週には売れたという事例も、もちろんありますが、
半年経ってようやく成約にこじつけた、と事例もあります。
そして、多くの場合、仲介開始から、
2ヶ月で成約できれば御の字というのが普通です。
一方、買取の場合は、買い手が不動産会社ですから、
価格交渉さえ終われば、あとは手続きを残すのみ。
長くても1ヶ月程度で売却が完了します。
そのため、とにかく時間がない、あるいはできる限り早く売りたい、
という場合は、一概に買取が損とは言えません。
具体的なケースとしては、たとえば近隣で新築のマンションの分譲が始まる前、
というような状況でマンションを売りたいときが挙げられます。
いくら自分の物件が築浅で良物件だったとしても、
近隣で新築マンションの分譲が始まれば、
買い手の興味がそちらに向くのは仕方がありません。
このとき、その分譲までにマンションを売らなければ、
その後、自分の物件の売却は困難を極めるでしょう。
それこそ、当初の査定額のままで売れる可能性は低くなりますし、
場合によってはリフォームも辞さない覚悟が必要です。
値下げもして、リフォームもして、しかも売れるかどうか分からない、
というなら、価値があるうちに買い取ってもらう、というのはひとつの手と言えます。
マンションに問題があって売れないケース
「そもそも仲介しても買い手がつかないのでは?」という場合も、
買取に大きなメリットを見出せるケースです。
問題のある物件とは、
- 築年数がかなり古い
- いわゆる事故物件(同マンション内の事故含む)
- 立地や環境が悪い
- 管理費などのランニングコストが悪い
などのことです。
では、これらのケースでは、なぜ買取でも損をしないのか、
その理由をそれぞれ説明しましょう。
築年数が古い物件
とりわけ、築年数が古いというのは致命的になるかもしれません。
その理由は、まずリフォームの金額。
どれぐらいの間取りかにもよりますが、
築年数が古いとなれば大々的なリフォームが必要になるはずです。
全面改装になれば、数百万はざらにかかるでしょう。
さらに、仲介で取引した場合、売主は買主に対し、
瑕疵担保責任を負うことになります。
これは購入してから一定期間内に故意ではない物件の故障があった場合、
売主がその責任を負い、修繕費用を出さなくてはいけないと契約です。
古い物件であればあるほど、当然こうした責任を負うリスクも高まります。
では、仮にそのリスクまで回避するほどのリフォームをしたとして、
そのリフォーム費用を回収するだけの価格で売却できるでしょうか。
そう考えれば、仲介より買取のほうが得になる理由が見えてくると思います。
事故物件
これに関しては、あまり説明の必要はないでしょう。
当然ですが、事故物件をわざわざ査定額で欲しがる人は、
そういません、というよりほぼ皆無です。
もし事故物件であることを気にしないという人でも、
相場から15%~30%低い価格でなければ手を出さないものです。
それであれば、わざわざ仲介にださなくとも買取の価格とさして変わりはありません。
もちろん、事故物件ですから、買取価格も低くなるのは目に見えていますが、
それでもまったく売れない可能性のある物件をずっと仲介に出しておくよりはましでしょう。
立地や環境が悪い物件
周辺環境や立地が悪い物件は、
売主が想像している以上に、買い手がつかないものです。
しかも、これは不動産業者の販売能力がいかに高くても、
なかなか覆せない欠点のひとつでもあります。
となれば、その環境の悪さを補って余りある魅力でもない限り、
物件を売るには、価格を安くしていくしかなくなってしまいます。
そして、最悪なことに、これはさらなる苦悩を招く一因になるのが現状です。
たとえば、なかなか売れない物件を出し、
一定期間ごとに値下げをしていくとしましょう。
あるところまでの値下げで買い手がつけばまだいいのですが、
あまりに安くしすぎると、今度は買い手が逆に敬遠することになります。
「安すぎる裏にはなにかあるのではないか?」
「もしかすると事故物件なのを隠蔽しているのではないか?」
こういう疑心暗鬼でさらに売れなくなってしまうのです。
結果として、当初の査定よりも安くなってしまうという事例を、
いくつか見てきています。
もし、仲介が難しいと分かったなら、
素直に買取を選択したほうがいいかもしれないというケースですね。
ランニングコストの悪い物件
立地や環境が悪い物件と同じく、
想像以上に売れないケースがこれです。
運よく買い手がつけば良いのですが、
不動産売買はそんな簡単なものではありません。
すでに住んでいるあなたから見れば、良物件かもしれませんが、
買い手は新たに購入する人です。
当然、住宅ローンの支払いや毎月の出費を計算するでしょう。
そうしてランニングコストを見てみると、
実はあなたの希望額での購入は、
非常に負担の大きいものに映る可能性もあります。
こうした物件を希望額で仲介に出してしまうと、
先ほどの立地の悪い物件と同じく、
値下げに次ぐ値下げを繰り返す負の連鎖に陥ってしまうことがあります。
上記以外の原因で、マンションがなかなか売れないケースもあるので、
売却で困っている人は、こちらのページもチェックしてみて下さい。
なかなかマンションが売れない!?そんな時はココをチェック
不動産取引では買い取りも視野に入れよう
長々と説明しましたが、これで買取が決して損な取引ではない、
ということが分かってもらえたと思います。
ですが、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。
それは、「仲介で売れる物件・状況なら、当然、仲介で売ったほうがいい」
ということです。
売却価格が低くなってしまうというのは避けられない事実なので、
仲介で高く売れるなら、その方がいいに決まっているからです。
それを踏まえた上で、自分の物件がどちらに向いているのか、
その見極めをするのも大切です。
ここまでに説明したケースから、
自分の物件が仲介で売れるかどうかは、
ある程度想像できると思います。
それでも買取をするのが正しいのか、
それとも仲介で時間をかけて売るのかの判断が難しい場合は、
一度インターネットの一括査定サイトを使って比較してみましょう。
実際に買取した場合と、仲介で売った場合とで、
どの程度の金額差が出るのかを見比べれば、判断もしやすいと思います。
買取におすすめの一括査定サイト
マンションの一括査定サイトは色々とありますが、
買取の査定に対応しているものだと、
マンションの査定に特化した「マンション.navi」が挙げられます。
また、仲介の一括査定サイトならば、
NTTデータが運営する「HOME4U」がおすすめです。
まずはこの2つを使って、買取と仲介の実際の差額を確かめてみて、
どちらにするのが得なのか、冷静に考えてみて下さい。
その名の通り、分譲マンションの売買に特化した、
特殊な一括査定サイトがマンション.naviです。
一括査定サイトではめずらしい「業者買取」の査定が出せます。
業界ではかなりの老舗で成約件数も多く、
信頼度の面ではHOME4Uに並ぶといってもいいでしょう。
一度に査定できる業者数も9社と多く、
できるだけ多くの業者を比較したいときにも便利。
買取を検討している方は、マンション.naviを利用して、
売却と買取の査定額を比べてみるのもいいかもしれませんね。
「おうちダイレクト」は首都圏や関西圏で、
家を売却する人におすすめです。
他の一括査定サイトとは異なり、
独自の販売活動で売主をサポートしてくれます。
Yahooとソニー不動産が共同で運営しているので信頼感があり、
たくさんの不動産会社を探すことができます。
提携業者の中には日本で唯一、
売主に有利な片手仲介を行うソニー不動産が含まれます。
対象エリアでマンション売却を検討している人は、
ぜひチェックしておきたいサービスです。
HOME4Uは、NTTデータの運営するサイトで、
マンション売却一括査定の最大手です。
三井住友トラスト不動産や、東急リバブル。
野村の仲介+、三菱UFJ不動産販売など、
国内大手の不動産業者はほとんどカバー。
約400社の不動産会社が登録されています。
どの一括査定サイトを使うか迷っている方や、
信頼度で選びたいという方には、HOME4Uの一括査定を使ってみましょう。