初めてマンションの売却をする人が失敗しやすいポイント

初めてマンションの売却をする人は、不動産会社選びや媒介契約など、全てが初体験になります。そのため、色々なところで失敗する可能性があります。

もちろん、適切な売却活動をしていれば失敗する確率は下がりますが、初めてでは中々難しいのも事実です。そこで今回は、マンションを売却する人が失敗しやすいポイントを解説します。

売り出し価格を間違えた失敗

マンションを初めて売却する人の一番の失敗は、「売り出し価格」の間違いです。

なぜ売り出し価格を間違えるかというと、初めてマンションを売却する人は、「少しでも高く」という思いが強い傾向にあるからです。また、競合環境の変化などに対応できないという点も理由も一つです。

マンションは1,000万円単位の高額な商品です。金額が1%違うだけでも売却金額が数10万円変わることがあります。そのため、「少しでも高く売りたい」という気持ちが強くなりやすいです。

欲張って高い値付けをした

マンションを売る時には、広告に記載する「売り出し価格」を設定します。中古マンションの特徴として、売り出し価格を設定するときには以下のような失敗をするケースが多いです。

  • とにかく「高く」売り出してしまう
  • 「売り出しはじめ」を意識しない

この2点を加味せずに売り出し価格を設定してしまうと、結果的に欲張った「高い売り出し価格」になってしまうのです。

とにかく「高く」売り出してしまう

広告に記載する売り出し価格は、下げることはできても原則上げることはできません。つまり、一度売り出し価格を設定してしまうと、その設定金額が「上限」になるということです。そのため、最初の価格を高く出しやすいです。

「売り出しはじめ」を意識しない

また、初めてマンションを売却する人は、マンションの売却は「売り出しはじめが大切」ということを知りません。

マンションの売り出し価格は、集客に大きな影響を与えます。つまり、売り出し価格が高すぎると集客できなくなるということです。

そして、マンションの売却は売り出してから1~3週間目までが勝負です。なぜなら、この期間が最も集客できるタイミングだからです。

なぜ集客しやすいかというと、「新しい物件」で注目度が高いので、一般個人も見学に来ますし不動産会社からの紹介も多いからです。

一度マンションを売却したことがある人なら、1~3週を過ぎると、ガクッと集客が落ちることを知っています。しかし、初めてマンションを売却する方はその辺りの「経験則」がないため、売り出しはじめから高い金額で売り出し、結果的に集客できないというパターンが多いです。

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競合環境が変わった

また、競合環境が変わったにも関わらず、マンションの売り出し価格を変えないという失敗も多いです。売り出し価格は、周辺相場価格も大切ですが、競合環境も大切です。競合物件が多ければ売りにくいですし、競合環境が少なければ売りやすいです。

競合物件が増えてきたにも関わらず、売り出し価格を変えないときには集客に大きな影響を与えることがあります。この「競合環境の変化」も一度マンションを売却してみれば体感できることです。

不動産会社選びに失敗

つづいて、よくある失敗例が「不動産会社選びの失敗」になります。不動産会社はマンション売却において一番重要と言っても過言ではありません。不動産会社が優秀かどうかというだけで、100万円単位で売却額が異なることもあります。

査定額だけで選んでしまった

初めてマンションを売却する人に多い失敗は、不動産会社を「査定額だけ」で選ぶという失敗です。

そもそも査定額は「恐らく売れるであろう」という目安の価格であり、その査定額で売れるとは限りません。「査定額が高いから」というだけで選ぶのは危険です。

媒介契約を取りたい

マンションを売却するときは、「わたしのマンションの売却をお願いします」という意味の媒介契約を不動産会社と締結します。

その「媒介契約を締結したい」という目的だけで、査定額を高くする不動産会社がいるのです。そのような不動産会社に自分のマンションの売却を依頼すると、失敗する可能性が高いです。

査定額の根拠に注目

前項のような、「悪い不動産会社」を見極めるポイントは、「査定額の根拠」になります。査定額の根拠に関しては、そのエリアのマンションを売却した実績があるかで見極めましょう。

マンションをはじめ、不動産は「エリア」によって売却金額の大半が決まります。

そのエリアで中古マンションを売却した実績があれば、査定額の精度も高いということです。査定金額と合わせ、その点も加味した上で不動産会社は選びましょう。

営業マンは「交渉力」を見ることが大切

また、不動産会社の営業マンは、そのまま購入検討者との「交渉者」でもあります。そのため、「良い人」という理由ではなく、きちんと購入検討者に交渉できる営業マンかを確認しましょう。

中古マンションは値引き交渉が入ることが多いので、きちんと交渉できないと売却金額が下がっていきます。

そのため、営業マンが査定結果の報告をするときには、以下の点に注意しましょう。

  • 自分の意見を主張できるか
  • 査定結果が明確か
  • 競合物件を加味しているか

この3点ができていれば、購入検討者にも交渉ができる営業マンです。たとえば、競合物件を知っているということは、競合物件の売り出し価格を知っています。

たとえ値引き交渉をされても、競合物件を加味して交渉できるでしょう。

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媒介契約の失敗

最後に紹介する失敗事例は、媒介契約時の失敗です。媒介契約は以下の3種類があり、結論からいうと専任系の媒介契約を結んだ方が良いです。

  • 一般媒介契約
  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約

媒介契約ごとの違い

簡単に媒介契約ごとの違いを説明すると以下の通りです。

  • 一般媒介契約は複数社に依頼でき、専任系は1社にしか依頼できません。
  • 一般媒介契約はレインズ登録義務がありませんが、専任系はあります。
  • 一般媒介契約は売却報告義務がありませんが、専任系はあります。

上記の通りの違いになっているので、はじめてマンションを売却する方は、「複数社に依頼できるので一般媒介契約が良い」と思いがちです。しかし、実は専任系の媒介契約の方が良い場合が多いです。

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複数社に依頼できるデメリット

一般媒介契約は、不動産会社からすると、「自分の会社以外にも売却できる」という状態になります。つまり、自社で売却できるか分からないので、仲介手数料をもらえるかが分からないということです。そのため、広告費と人件費を投下しにくいのです。

いくら広告費をかけてチラシやネット広告をしたところで、自社で成約できなければ広告費はそのまま「支出」になります。

人件費も同様で、営業担当者をつけて販売活動をしても、他社で成約すれば人件費は無駄になってしまいます。そのため、一般媒介契約の場合にはマンション売却は失敗する可能性が高いです。

初めてマンションを売却する人は失敗しやすいポイントを踏まえ、売り出し価格は欲張らずに競合物件状況を加味して設定し、不動産会社選びは査定金額ではなく「査定根拠」を重視することが大切です。また、媒介契約は専任系の媒介契約を結ぶと良いでしょう。