中古・新築・分譲・タワーの各マンションを売却する際の注意点

マンションを売却するときには、売却業務を任せる不動産業者の選択が必須です。個人でも売買を行う事はできますが、マンションはトラブルも多く業者に任せた方が安心です。

価格査定を複数の不動産業者に依頼することで、不動産の相場や業者の対応を比べる事ができるため良い業者を選択できるようになります。また、自分の売却したいマンションがどのような特徴を持っているかを知る事で、より相応しい不動産業者を選ぶことができます。

マンション売却の総合的ポイントと注意点

マンションとは、大型の共同集合住宅を言います。居住形態は、対象とする利用者層と目的から、ファミリー型とワンルーム型に分けられます。集合住宅であるため、同じような条件の部屋が同時に売却されていることもあります。そのため、自分の売却したい部屋がどのようなものかを理解することが重要です。

物件の特徴を客観的にチェック

マンションは同じような地域にあっても、築年数・階層・眺望だけでも条件は多岐にわたります。中古マンションの場合であれば、住んでいる間に補修・リフォームを行っているなら、ますます違いが出てきます。

室内設備状況を確認し、トラブルを避ける

エアコン、給湯器、ガスなどの室内設備の確認も大切です。売買契約時には「瑕疵担保責任」と言う通常では気づかない欠陥・不具合が売却後に見つかる事で、売主が補修・交換費用を負担することになるため注意が必要です。不動産業者によっては、補修費用を保証してくれるところもありますが金額に上限があります。売却後に慌てずに済むように十分なチェックをしておくことが大切です。

アピールポイントを確認し、価格向上につなげる

住宅には住んでいる人間だからこそわかるアピールポイントがあります。マンションの管理体制・管理人の勤務時間、宅配物の管理、住居者の距離感は、住まいには関係ないようであっても生活を行うためには重要なポイントです。また、交通機関、学校までの距離・通学路の状況、病院、子供の遊べる公園の距離や環境などの周辺情報も、購入者には重要なポイントです。

学校までの距離が通学に不便でない程度に離れており、通学路の見通しも良く交通量が少ない、近所には子供が集まり遊べる場所がある事が説明されたなら、小さな子がいる家庭にとって魅力的と言えます。このように、目に見えないアピールポイントをピックアップすることが、購入意欲に繋がります。

また、大規模マンションの場合、ゲストルーム・キッズルームなどの共用施設の充実・使い心地・管理組合の活動なども大切です。これらを担当者に細かく伝えることが、査定金額の向上や、早期成約に繋がるのです。

費用面からみた注意点

マンションを売却する際にはさまざまな費用がかかります。そのため売却価格の全てが手に入る訳ではないため注意が必要です。

  • マンション売却時にかかる税金:所得税・住民税・印紙税
  • マンション売却時にかかる手数料:不動産仲介手数料 登記費用
  • マンション売却時にかかる費用:引っ越し費用 家具・家電などの生活用品の費用

中古マンション売却の注意点

中古マンションは販売数が多く購入者の選択肢が非常に多いです。そんな中、より購入希望者に魅力的に見えるようアピールする必要があります。

価格設定

新築物件の価格には、本体工事・設備工事があるが、新築費用にはこれに利益の上乗せがあります。中古物件の価格の場合、本体工事+設備工事から築年数が考慮された価格が基本です。また中古マンションは、ローン借り入れの条件が悪くなることが悪条件とされ、低い売却価格の理由となります。

このことから、新築で購入したときに比べ査定価格が低いと感じる事が多いです。少しでも価格を高くするために、アピールポイントを提供する必要性が出てくるのです。

また、競争相手が多く、特別な魅力を提示できない場合は、購入希望者の獲得合戦となるため、早い段階での値引きを決意するのも重要です。

物件の数が豊富で競争率が高い

マンションの場合、立地・間取り・価格など似たような条件での販売が重なることも多いです。中古マンションの場合、居住している状態での内覧となります。それを利用し他とは違うポイントを提供できれば、早期売却に繋がります。

  • 頻繁に掃除を行い、内覧者がいつ訪れても良いようにしておく
  • 収納スペースがなくても、参考にできるように整理整頓を行っておく
  • 傷や汚れを目立たせないようにと、照明を暗くすることはNG
  • 子供やペットは、内覧時は出かけてもらう
  • 生活臭はできる限り消しておく

新築マンション売却の注意点

マンションを売却する理由は人それぞれですが、購入したばかりの新築マンションの売却を行う人もいます。その理由には、急な転勤や離婚、近隣とのトラブル、環境の不適合などがあります。突発的な状況に周囲の興味の的となっては面白くありません。そのためできるだけ早く高く売りたいと考えるものです。

住宅ローンの返済

新築での売却で問題となるのは、ローンを組んで日も浅いと言うことです。マンションの売却に伴う名義変更には、ローンの完済つまり抵当権の抹消が必要です。ローンの残債と諸費用は、売却代金で支払わなければいけません。売却代金で足りない部分は、別途資金を準備し補てんを行い、ローンを完済しなければなりません。

新築購入時の価格と新中古売却時の価格差

ローン完済を控えていることもあり、売却価格が気になるところです。売却価格の設定は、居住年度や築年数に比例するものではありません。マンションの価格で重要なのは、減価償却を終えた後、建物の価値を失った頃、いくらで売却できるかに左右されます。そのため人気地域でのマンション販売は、そうでない地域より高い価格で売却できます。

また、建物自体は新築であっても不動産取引上の扱いは下記のとおりです。

  • 居住に利用せず、建設工事完了から1年以内は、新築として売却ができる
  • 居住に利用したものは、新中古として売却が行われる
  • 居住に利用せず、建設工事完了から1年を超えたものは、1年以内のものと新中古の中間の価格設定がされる

売却理由を伝えるか?

転勤・親の介護・離婚などプライベートな内容に関しては話す必要はありませんが、住環境を原因とする転居であれば報告しておいた方が良いでしょう。売却に不利益となる内容は隠しておきたいものです。

しかし事実を隠し売却したことで買主が損害を受けた場合には、損害賠償の請求や裁判沙汰となることもあります。何を伝え、何が伝えなくても良いかの判断が付かない場合は、不動産業者に一任してください。

分譲マンション売却の注意点

分譲マンションの売却注意点は、中古マンションと大きな違いはありません。しかし、分譲マンションとして注目するなら「管理」の面に注意が必要となります。通常の分譲マンションは、所有者による管理組合があります。管理組合は、居住者全員が建物・敷地・付属施設の管理を行うための構成組織です。

管理組合では、マンションの維持管理・運営をマンション所有者たちの議決・判断で行います。最近ではこれらの管理部分の管理業務を、委託された管理会社が行うこともあります。しかし、マンションの重要な決定を行う権利は、マンション所有者の組合員にあるのです。この管理には、修繕費や管理費など毎月の支払があります。

分譲マンションを売却するためには、管理規約・使用細則・維持・管理費などの書類を渡す必要がでてきます。また、所有者の変更時には、管理組合への届け出が必要となります。この届出を忘れる事で、組合費用が生じ続けることもあるため注意しましょう。

タワーマンション売却の注意点

タワーマンションは高さ60m超あるいは20階を超える住居用の建築物を言います。立地や築年数・設備などが価格に影響しますが、タワーマンションは高層の展望なども影響します。

売却価格

戸数が多いため、売却時に売却事例があります。そのため個人でも相場の判断がしやすいです。立地がよく、マンションブランドが強いことで、中古であっても値下がりが少ないのが特徴と言えます。ただし、他の部屋と売却が重なることで値崩れになることもあります。

上層階で同じ間取りの部屋が安く売りだされた場合には、価格を下げなければ売却できません。売却時期が重要となるため、売却を決める際には管理会社に「引っ越しする人がいるか?」を尋ねる事で他の部屋の売却を知る事ができます。

売却時期

タワーマンションでは、一般のマンションとは違い同じ修繕を行うにしても高額な費用がかかります。修繕などの不安を感じるのであれば、早めに売却を考えるのも1つの手段と言えます。

マンションの売却を考えるなら、大手不動産業者の査定を受けることをおすすめします。マンションの購入層は、比較的若い世帯に多く、ウェブを中心とした大手不動産業者に顧客が集中します。

そのため、地域密着型の小規模不動産は避け、複数業者に査定を依頼すると良いでしょう。