マンションの室内は、日々の生活でどうしても汚れていくものです。ですが、売却の際に汚れた室内は購入検討者の購入意欲を落とす原因にもなるので、ハウスクリーニングで対応するという方法があります。今回は、ハウスクリーニングを業者に依頼するときの費用目安と、ハウスクリーニングすべき物件を解説します。
業者によるハウスクリーニングの費用とタイミング
まずは、業者にハウスクリーニングを依頼するときの目安費用と、ハウスクリーニングするタイミングを知っておきましょう。費用については業者ごとで異なるので、複数の業者を比較した方が良いです。
業者に依頼したい箇所と料金相場
上述したように、ハウスクリーニング業者ごとに費用相場は異なりますが、参考までに一般的なハウスクリーニング費用を記載します。
- フローリング:6畳で1万円前後
- クロス:1平方メートル500円~
- キッチン:2万円~5万円
- 浴室:3万円~5万円
- トイレ:2万円~3万円
フローリングやクロス
フローリングやクロスは日々の生活で汚れやすい箇所です。特にクロスは白いクロスが多いので、汚れが目立ちます。また、フローリングやクロスは面積が大きいので、室内を見学しに来た人の印象がガラっと変わる箇所でもあります。
そのため、全面クリーニングをすると10万円単位で費用がかかってきますが、クリーニングすることで効果が大きい箇所とも言えるでしょう。ただ、フローリングの傷やクロスの破れなど、補修が必要な部分はクリーニングではどうにもできないので、汚れより傷が多い場合は補修を依頼した方が良いです。
キッチン
上記では、キッチンは2万円~5万円にしていますが、以下のようなクリーニング内容の場合は10万円以上かかることも少なくありません。
- 換気扇の汚れ除去
- 換気扇の臭い除去
- コンロ部分がひどく汚れている
キッチンは油汚れが多くなるので、どうしても他の場所と比べて汚れやすい箇所になります。そのため、上記のように汚れがひどい場合には、2万円~5万円では収まらないこともあるという点は覚えておきましょう。
浴室、トイレ
浴室やトイレも水アカができやすく、毎日利用する場所なので、キッチンと同じく汚れやすい箇所です。そのため、以下のようなクリーニングが必要な場合は、上記のクリーニング料金の相場以上かかる場合もあります。
- 鏡のクリーニング
- 浴槽エプロンを取り外したクリーニング
- トイレのタンク内部のクリーニング
水まわりは全般的に衛生面を気にする人が多いです。また、クロスやフローリングと違い、目に見えない菌やカビなどが気になる部分でもあるので、入念なクリーニングが必要になります。
ハウスクリーニングするタイミング
このようなハウスクリーニングをするタイミングは、大きく分けて「物件売却活動前」、「物件売却活動中」の2点です。
上記2点はそれぞれ状況が異なりますので、その点を理解しておきましょう。
物件売却活動前のハウスクリーニング
物件売却前にハウスクリーニングをするのは、メリットもあればデメリットもあります。そのため、後述する「ハウスクリーニングするべき物件」に該当する場合には、メリットの恩恵が大きいということなので、ハウスクリーニングしてから売却した方が良いでしょう。
売却活動前にクリーニングするメリット
売却活動前にクリーニングするメリットは「写真映えも良くなる」、「最初からきれいな状態で案内できる」という点です。
まず、広告に掲載する室内写真などが映えますし、「クリーニングずみ!」などの文言も追記できます。つまり、広告効果が上がり集客がしやすくなるということです。
また、マンションの売却は初めて広告を打った2~3週間が、最も集客の多いタイミングになります。売却活動前にクリーニングするということは、この集客が最も多いタイミングから、きれいな状態で室内を案内できるということです。
そのため、売却活動前にクリーニングするということは、集客数も成約率も上がる場合があるという点がメリットになります。
売却活動前にクリーニングするデメリット
一方、売却活動前にクリーニングするデメリットは、クリーニング費用がかかるという点です。もしかしたら、クリーニングしなくても売却できたかもしれないので、ハウスクリーニング費用がそのまま無駄な支出になる場合もあります。その点が、売却活動前にクリーニングするデメリットと言えるでしょう。
物件売却活動中のハウスクリーニング
また、売却活動中にハウスクリーニングするという方法もあります。このときのメリットは、売却活動で様子を見た後にクリーニング依頼ができるという点です。そのため、見学者の評価が低かった部分だけピンポイントでクリーニング依頼できるので、費用対効果の高いクリーニングができます。
ただし、物件売却活動中のハウスクリーニングということは、初期に見学へ来た人はハウスクリーニング前に見学しているということです。そのため、初期の集客が多い時期の顧客をみすみす逃している場合がある点はデメリットと言えるでしょう。
ハウスクリーニングするべき物件
このように、ハウスクリーニングするかどうか、そしていつハウスクリーニングするかは悩ましいところです。いつハウスクリーニングするかは各々の判断になりますが、ハウスクリーニングすべき物件かどうかは、以下のような物件に当てはまるか確かめましょう。
- 築年数が古い物件
- ペットを飼っていた物件
- 競合物件に築浅物件が多い
- 水まわりが汚れている物件
- 共用部がきれいな物件
築年数が古い物件
築年数が古い物件は、どうしても室内の劣化が激しいです。本当はリノベーションした方が良いのですが、その場合は100万円単位で費用がかかるので、せめてハウスクリーニングで築古のデメリットを少しでも払しょくしましょう。
ペットを飼っていた物件
ペットを飼っていた場合も、築古物件と同様に劣化が激しいです。特に、臭いがひどい場合には、臭いを除去するクリーニングもあるので、それを利用するのも選択肢の一つです。
競合物件に築浅物件が多い
競合物件に築浅物件が多いということは、自分の物件と比較されたときに汚れや劣化具合が気になるということです。そのため、少しでも競合物件とのギャップを減らすために、ハウスクリーニングしておいた方が良いでしょう。
水まわりが汚れている物件
上述したように、水まわりは衛生面を気にする人が多いです。そのため、特に女性がターゲットだったり、ファミリー層がターゲットだったりする場合には、水まわりは重点的にクリーニングしておくべきです。
共用部がきれいな物件
最後に、外観やゴミ置き場、駐車場などの共用部がきれいな物件です。このような物件は検討者の印象は良くなりますが、逆に室内が汚いと共用部とのギャップにより室内の印象が下がってしまいやすいです。そのため、ハウスクリーニングで少しでもギャップをなくすことが重要になってきます。
このように、マンションのハウスクリーニングは、業者にクリーニングを依頼するときには費用がかかってきます。その費用は業者によって異なるので、色々な業者の費用をチェックしてください。そして、ハウスクリーニングするタイミングを見極め、自分の物件がハウスクリーニングすべき物件なのかも確認しておきましょう。