マンションを売却する人の中では、築浅や新築マンションを売却するという人もいます。築浅や新築マンションは通常の中古マンションよりも売却しやすいです。ただ、きちんと「高く売る方法」を行ってから売却しないといけません。そこで今回は、築浅・新築マンションを高く売る方法を解説します。
マンションにおける「築浅」の魅力
築5年未満の築浅マンションや新築マンションの魅力は以下の通りです。
- 劣化・損傷は少ない
- 資産価値が高い
- ランニングコストが上がるか見極めやすい
築浅・新築マンションを高く売るためには、上記の「魅力」を最大限引き出せば良いということです。その「引き出し方」について次項以降で解説していきます。
劣化・損傷は少ない
まず、築浅・新築マンションは劣化や損傷が少ないです。新築マンションであれば、劣化や損傷はほぼゼロと言っても過言ではありません。問題は、その魅力を「どう」伝えるかという点です。伝え方を考えるときには以下2点に注目しましょう。
- ターゲット
- 広告展開
ターゲット
まず、築浅・新築マンションは、新築マンションを探している人達もターゲットになります。もちろん、通常の中古マンションの売却も新築検討者はターゲットになりますが、築浅・新築マンションはメインターゲットにしても良いくらいです。
広告方法
新築希望者がターゲットになるということは、以下のような広告が有効になります。
- 新築マンション付近での看板など
- 新築マンション付近の集合住宅への投函
つまり、近くで分譲している新築マンションの見学者に「認知」させるということです。たとえば、新築マンションのモデルルーム付近に看板を出しておいたり、集合住宅へチラシを投函したりすると効果が高いです。
広告展開
また、劣化・損傷をしていないというアピールは、写真が一番分かりやすいです。そのため、チラシやネットに掲載する広告物には、必ず室内写真と外観写真を入れましょう。通常の中古マンションでも広告に入れる「写真」は大事ですが、築浅・新築マンションは一層大事になります。
そのため、太陽の光が入る時間帯に室内を撮影したり、外観が一番きれいに見える時間帯に撮影したりしましょう。また、マンションを購入した不動産会社に連絡するのも方法の1つです。不動産会社によっては、パンフレットなどで利用していた写真を譲ってくれるかもしれません、
資産価値が高い
つづいては、資産価値の高さです。築浅・新築マンションは資産価値が高いので、そもそも売りやすくはあります。以下のグラフは東日本不動産流通機構が出している、2015年のデータを基に作成した築年数別の下落率です。
築年数平方メートル単価(成約)下落率
築0~5年719,600円‐
築6~10年597,400円-17.0%
築11~15年522,700円-17.4%
築16~20年417,200円-42.1%
築21~25年292,200円-59.4%
築26~30年305,800円-57.6%
築31年~278,000円-61.4%
上記の通り、築6年を過ぎると、17%価格が下落しています。また、築16年を過ぎると40%以上の下落で、築20年を過ぎると60%近く下落するというデータが出ています。つまり、築年数が経つほど、下落率が大きくなるということです。
この資産価値をアピールするために、周辺物件の築年数別下落率を営業マンに作成してもらうと良いです。このデータはレインズを拾えば出てきますので、作成することができます。そのデータで周辺エリアの築浅物件の下落率が小さければ資産価値があるということです。
参照URL: 公益財団法人東日本不動産流通機構
ランニングコストが上がるか見極めやすい
マンションには管理費や修繕積立金などの、ランニングコストがかかります。このランニングコストは、将来的に上昇する可能性があります。しかし、築浅・新築マンションであれば、ランニングコストが上がるかどうかの見極めがしやすいという利点があります。また、そもそもランニングコストが、まだ上がっていないという点もメリットの1つです。
管理費
管理費の上昇リスクは、駐車場や駐輪場などの空きが増えたときです。なぜなら、これらの賃料収入も見込んで管理を積算しているからです。つまり、想定稼働率を下回れば管理費が上がる可能性があるということです。ただ、築浅・新築マンションの状態では、管理費が上昇している可能性は極めて低いので、ランニングコストも高くは見えないのです。
修繕積立金
修繕積立金は、今後段階的に上昇するという計画を立てているマンションが多いです。ただ、多くのマンションは「5年周期」で段階的に上がっていくので、築年数が5年未満の場合には修繕積立金は上がっていないことが多いです。この点は、ほかの中古マンションとの差別化につながります。
また、修繕積立金が上がるときには、管理組合(入居者)の許可が必要です。そのため築浅・新築マンションを購入すれば、修繕金を上げるかどうかについて自分の意見も反映され、納得感を持って判断できます。この辺りも営業トークに織り交ぜることでプラス材料になります。
マンションの空室管理方法
また、築浅のマンションや新築マンションを売却するときは、以下のようなケースが多いです。
- 遠方への転勤が決まった
- 実家に戻る必要性が出てきた
つまり、そのマンションに住むことができなくなったときです。マンションに住めないので、マンションの売却中は、その売却中マンションを空室にするケースが多いです。そのため、きちんと「空室管理」をすることで、マンションの資産価値を保ち、売却価格を高く保つことにつながります。
空室管理とは?
空室管理とは、具体的に以下のことです。
- 通水
- 換気
- 掃除
これらの管理を定期的に行わないと、マンションの劣化スピードが早まります。そうなると、せっかく築浅・新築マンションの魅力であった「劣化・損傷が小さい」という点が失われてしまいます。
通水について
通水とは、水まわりの水の入れ替えをすることです。具体的には、洗濯パンと浴室の排水口に水を流し、トイレの水を流すことを言います。これらの配管はマンション内で縦につながっています。そして、その配管は最終的に下水とつながっています。
そのため、普段は「封水」と言われる水を貯めておくことによって、下水の臭いを抑えているのです。その封水は1週間ほどで蒸発してしまうので、放っておくと部屋中に臭いが充満します。最悪の場合クロスに臭いが付いてしまうこともあるので、通水はとても大切です。
換気について
また、換気も通水と同様、嫌な臭いが部屋に充満しないための大事な作業になります。さらに、換気をしないと湿気が溜まりやすいので、部屋にカビが生えやすくなります。
掃除
掃除は特に換気口まわりが汚れやすいです。前項で話した「換気」の一環で、24時間換気は稼働しておくべきです。そうなると、外部の空気を取り入れる換気口まわりのクロスが汚れやすくなってしまうのです。もちろん、フローリングの掃除もするべきですが、一番は換気口まわりの掃除をすべきです。
空室管理の仕方
できれば、1週間に1回、少なくとも月に1~2回は空室管理をする必要があります。どうしても遠方にいてできない場合には、不動産会社が月10,000円~15,000円ほどで空室管理を請け負ってくれます。多少費用がかかりますが、資産価値を保つためには必要なことなので、必ず空室管理は行いましょう。
まとめ
築浅・新築マンションを売却するときには以下4点に気を付けましょう。
- 劣化、損傷が少ないことを広告でアピール
- 資産価値が高いデータを集める
- ランニングコストを周辺物件と比較
- 空室管理をきちんと行う